介護予防と介護の違いとは?―元気を守るケアと支えるケアの違い

コラム

日本の高齢化が進む中で、「介護」と「介護予防」という言葉をよく耳にするようになりました。どちらも高齢者の健康と生活の質(QOL)を守るための重要な取り組みですが、その目的やアプローチには大きな違いがあります。

今日は、介護と介護予防の違いを詳しく解説し、それぞれの役割や必要性、具体的な取り組みについて考えていきます。

介護とは?

1. 介護の目的

介護とは、加齢や病気、障がいなどによって日常生活を自分だけでは行えなくなった方を支援することを指します。主に要介護認定を受けた高齢者が対象となり、身体的・精神的なサポートを行います。

2. 介護が必要になる原因

介護が必要になる主な原因には以下のようなものがあります。

  • 認知症(判断力や記憶力の低下により日常生活が困難になる)
  • 脳卒中や心疾患(脳梗塞や心筋梗塞などの後遺症で身体機能が低下)
  • 骨折や転倒(高齢になると骨密度が低下し、骨折が長期の寝たきりにつながる)
  • 加齢による衰え(筋力やバランス能力の低下により歩行困難になる)

3. 介護の具体的な支援内容

介護の支援内容は、大きく分けて以下の3つに分類されます。

(1) 身体介護

  • 食事介助(嚥下が難しい方へのサポート)
  • 入浴・排泄の介助
  • ベッドからの移動・車椅子への移乗
  • 服薬管理

(2) 生活援助

  • 掃除、洗濯、調理などの家事支援
  • 買い物代行
  • 金銭管理や役所手続きのサポート

(3) 医療的ケア

  • リハビリ支援(理学療法士や作業療法士による訓練)
  • 褥瘡(床ずれ)予防や処置
  • 点滴・吸引・胃ろうなどの医療的処置(医療従事者が対応)

介護予防とは?

1. 介護予防の目的

介護予防とは、「介護が必要な状態を防ぐこと」または「介護が必要な状態の進行を遅らせること」を目的とした取り組みです。健康なうちから適切な習慣を身につけることで、できるだけ長く自立した生活を送れるようにすることが目標です。

2. 介護予防が必要な理由

  • 要介護状態になってからでは元の生活に戻るのが難しい
  • 医療費・介護費の負担を軽減できる
  • 社会とのつながりを維持し、生活の質を向上させる

3. 介護予防の具体的な取り組み

介護予防には、身体機能・認知機能・社会的つながりを維持するための多様な方法があります。

(1) 運動習慣の維持

  • ウォーキング、ラジオ体操、筋力トレーニング
  • バランス運動(片足立ちやスクワットなど)
  • 転倒予防のための柔軟性向上運動

(2) 栄養管理と食生活改善

  • 低栄養予防のためのたんぱく質・ビタミン摂取
  • よく噛んで食べることで口腔機能を維持
  • 水分補給を忘れずに行い、脱水や脳梗塞を予防

(3) 認知症予防

  • パズル、読書、計算、ゲームなどで脳を活性化
  • コミュニケーションを増やし、孤立を防ぐ
  • 睡眠の質を向上させ、脳の健康を維持

(4) 社会参加と生きがいづくり

  • 地域のイベントやボランティア活動に参加
  • 趣味を持ち、継続的な活動を行う(絵画、音楽、園芸など)
  • 孤独を防ぎ、精神的な健康を維持

介護と介護予防の違い

項目介護介護予防
目的生活の質を維持し、支援する介護が必要な状態を防ぐ、または進行を遅らせる
対象者要介護認定を受けた方自立した高齢者、要支援認定者
内容介助・生活支援・医療的ケア運動・栄養・認知症予防・社会参加
アプローチ介護サービスを活用して支える自立した生活を続けるための活動

介護は「支えるケア」、介護予防は「元気を守るケア」と言えます。

まとめ

高齢者が健康で充実した生活を送るためには、介護が必要になる前の「介護予防」が非常に重要です。適切な運動・栄養・社会参加を取り入れることで、できるだけ長く自立した生活を維持することができます。

一方で、介護が必要になった場合でも、適切な介護サービスを受けることで生活の質を維持しながら、できる限り自立を目指すことが可能です。

介護と介護予防、どちらも大切にしながら、自分や家族の未来の健康を考えてみましょう!

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