日本の高齢化はますます進行しており、健康寿命をいかに延ばすかが大きな課題となっています。その中で注目されているのが「フレイル(Frailty)」という概念です。
フレイルとは、加齢に伴って心身の活力(運動機能・認知機能・社会性など)が低下し、要介護状態に移行しやすくなる虚弱な状態を指します。
しかし、フレイルは早期に気づいて対処すれば、進行を食い止めたり、健康な状態に戻したりすることも可能です。
そこで本記事では、フレイルになりやすい人の共通点を5つにまとめて詳しく解説します。
「自分や家族が該当していないか?」を確認しながら、ぜひ最後までご覧ください。
共通点①:運動習慣がない(身体的フレイル)
加齢によって、筋力・持久力・柔軟性などの身体能力は自然に低下していきますが、運動習慣がない人はその進行が加速します。特に下半身の筋力低下(サルコペニア)は、転倒・骨折・寝たきりに直結する危険因子です。
☑️当てはまる人の例
- 「毎日ほとんど歩かず、家にこもりがち」
- 「階段よりもエレベーターやエスカレーターを使う」
- 「立ち上がるときに手を使わないと難しい」
▶対策ポイント
- 毎日15~30分のウォーキングを習慣化する
- テレビを見ながらできる椅子スクワットやかかと上げなどの簡単な筋トレを取り入れる
- 体操教室やデイサービスなどで仲間と運動を楽しむ
共通点②:体重が急激に減少した(栄養的フレイル)
食事の量が減ると、筋肉量や免疫力の低下を招き、体全体の機能が衰えます。特に、高齢者では「筋肉の減少=サルコペニア」が、フレイルの入口になることが多いです。
☑️当てはまる人の例
- 「最近、半年で2〜3kg以上体重が落ちた」
- 「肉や魚をあまり食べない」
- 「1日1食で済ませることが多い」
▶対策ポイント
- タンパク質(肉・魚・卵・豆類)を意識して摂取する
- 食欲がないときは、栄養補助食品やスムージーを活用する
- 口腔機能の低下(噛めない・飲み込めない)を感じる場合は、やわらかい食材や刻み食に工夫を
共通点③:社会的なつながりが少ない(社会的フレイル)
外出や他人との交流が少なくなると、認知機能や意欲の低下を引き起こし、うつ状態や孤立のリスクが高まります。これが「社会的フレイル」と呼ばれる段階です。
☑️当てはまる人の例
- 「1日中誰とも会話しない日が多い」
- 「趣味やボランティアをやめてしまった」
- 「地域の行事や集まりには参加しない」
▶対策ポイント
- 週1回以上は誰かと話すことを意識する(家族、友人、地域の人など)
- 地域のサロン、体操教室、シニア向けイベントなどに参加する
- 離れて暮らす家族との定期的な電話やオンライン通話を活用する
共通点④:口腔機能の低下(オーラルフレイル)
「口の健康」は、食事・会話・表情など、生活の質全体に影響を与えます。口腔機能が衰えると、咀嚼困難・誤嚥・栄養不足などを引き起こし、フレイルの進行を早めます。
☑️当てはまる人の例
- 「食事中によくむせるようになった」
- 「固いものを避けるようになった」
- 「滑舌が悪くなった」
▶対策ポイント
- 歯科医院での定期検診(入れ歯や義歯の調整含む)
- 唾液腺マッサージや口腔体操(あいうべ体操など)を毎日実施
- 噛みごたえのある食事も意識的に取り入れる
共通点⑤:気力や興味の低下(心理的フレイル)
気持ちが沈んでいたり、何事にも無関心になる状態は、活動量の減少や生活の質の低下につながる重大なサインです。放置すると「うつ病」や「認知症」の引き金にもなり得ます。
☑️当てはまる人の例
- 「趣味に興味が持てなくなった」
- 「日中横になっている時間が長い」
- 「最近、笑顔が減ったと周囲に言われる」
▶対策ポイント
- 毎日のスケジュールを決めて規則正しい生活を心がける
- 朝の散歩や日光浴などでリズムを整える
- 家族や専門家に相談し、必要なら心療内科やカウンセリングも活用する
フレイル予防は「気づき」が第一歩
フレイルは「健康」と「要介護」の中間にある**“可逆的な状態”**です。
つまり、早めに気づいて正しい対策を取れば、元の健康な状態に戻る可能性が高いのです。
✅すぐにできるフレイル予防チェックリスト
- 朝起きたら必ず窓を開けて深呼吸
- 毎日体重と食事内容を記録
- 毎週1回以上は外出 or オンラインで誰かと会話
- 月1回は歯科・内科などの健康チェック
- 新しい趣味や学びにチャレンジする意欲を持つ
まとめ
以下のような特徴に当てはまる人は、フレイルのリスクが高まっている可能性があります。
| フレイルの共通点 | 説明 |
|---|---|
| ① 運動習慣がない | 筋力・体力の低下が著しい |
| ② 急激な体重減少 | 栄養不足やサルコペニアに直結 |
| ③ 交流が少ない | 社会的孤立が心身に悪影響を与える |
| ④ 口腔機能の衰え | 食事・会話・生活の質が低下 |
| ⑤ 気力・興味の低下 | うつや認知症リスクに直結 |
「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、小さな変化がフレイルの兆候であることも。
ご自身やご家族の未来のために、今日から少しずつ予防を始めてみましょう。

